診療内容

外科矯正

上下の顎の位置や大きさにアンバランスがあり、顎の変形が認められる症例(顎変形症)などは、ワイヤー矯正やマウスピース矯正だけでは、不正咬合の十分な改善は困難です。このような骨格性の重度の歯列不正では、外科手術を併用した矯正治療が適しています。

外科矯正とは

一般的に外科矯正の流れは、①術前矯正→②外科手術→③術後矯正→④保定の4つのステップで行います。術前矯正、術後矯正、保定は当院で担当し、外科手術は連携する高次医療機関の口腔外科にて実施します。

①術前矯正
まずは、歯並びや噛み合わせの状態を診断し、治療に適した方法を提案するためにカウンセリングを行います。患者様のご要望やライフスタイルにも考慮した最適な治療方法をご提案します。
②外科手術
外科手術は全身麻酔で行います。手術は口腔内からアプローチして行うため、傷跡が目立つことはありませんのでご安心ください。通常1週間から2週間の入院期間が必要です。
③術後矯正
外科手術後は、術前矯正をもとに微修正を行います。手術を行ってかみ合わせを理想的な位置に導いても、筋肉の働きにより顎骨の位置関係に後戻りが起こる可能性があるため術後矯正は必ず必要です。
④保定
術後矯正が無事に終了したら歯列の後戻りを防止するため、取り外し式の保定装置を装着します。骨切りした部分の骨が良好に再生し結合したら、固定しているスクリューを除去するための手術を行う場合があります。

外科矯正は、口腔外科医や矯正歯科医によって行われます。手術は、一般麻酔下で行われ、骨を切除したり、移動させたりすることで歯並びを改善します。手術後は、通常数日間の痛みや腫れがありますが、適切なケアをすることで回復が早くなります。

保険適用について

一般的に歯列矯正治療は保険適用外ですが、基準を満たす場合、保険適用となります。保険適用となるには診断基準を満たし、厚生労働省による「育成更生医療指定機関・顎口腔機能診断施設」の指定を受けた医療機関にて、指定された治療をうけることが必要です。

当院は、「顎口腔機能診断施設」の診断基準を満たしています。

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

  1. ①矯正治療中は虫歯や歯周病のリスクが高くなるため、口腔内清掃が必要となります。
    定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
  2. ②装置が破損するおそれがあるので粘着性の食べ物(ガム、キャラメル等)を控えて下さい。
  3. ③装置装着に伴い、痛みや違和感が生じることがあります。
    毎回の調整後、約1週間は、噛むと痛い等の違和感があります。
  4. ④歯に矯正力をかけることで、歯の根の長さが短くなったり、歯肉が下がる可能性があります。
    また、歯の移動により神経が障害を受けて壊死することがまれにあります。
  5. ⑤治療途中で顎関節症状が生じた場合、治療を一時中断あるいは中止することがあります。
  6. ⑥装置を外した後に行う保定治療には、指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性があります。
    また、その後にも経年的な歯列の変化が生じることが予想されます。

すべてのリスクや副作用が生じるわけではありません。