歯のコラム

顎の成長を利用する「1期治療」とは? 特徴と注意点

2026.05.27

小児矯正には大きく 「1期治療(初期治療)」「2期治療(本格治療)」 の2段階があります。
その中で 1期治療は、顎の成長を最大限に生かして、歯並びや噛み合わせの基盤を整える治療 のことを指します。対象年齢はおおむね 6〜10歳(混合歯列期) です。

では、少し詳しく見ていきましょう

1.1期治療の目的

(1)顎の成長を正しい方向へ導く

・上下の顎のバランスを整える

・将来的に歯が並ぶスペースを確保する

・受け口(反対咬合)や出っ歯を予防する

(2)癖による歯並びの悪化を防ぐ

・口呼吸

・舌癖(舌突出癖)

・指しゃぶり

・口唇閉鎖不全

これらは顎の成長をゆがめる原因になるため、早期改善が大切です。

2.どんな装置を使うの?

拡大装置(急速・緩徐)

上顎の横幅を広げる装置。歯列のスペースをつくったり、呼吸の改善につながることもあります。

機能的矯正装置(バイオネーターなど)

下顎の成長を前方へ促すことで、受け口や出っ歯の改善をはかる装置です。

マウスピース型装置(プレオルソなど)

悪い癖の改善・口周りの筋肉トレーニング・軽度の歯並び改善に効果的な装置です。

3.1期治療のメリット

将来の歯並びが整いやすくなる

永久歯が生えるスペースを確保できるため、2期治療(ワイヤー矯正)が軽く済む場合があります。

抜歯の防ぐことが期待できる

顎の成長を利用するため、健康な歯を抜歯せずに治療できます。

歯は何度も生え替える器官ではありません。できるだけ抜歯を防ぎ、大切にすることで生涯の健康を支えます。

顔つき(口元)のバランスが整う

顎の正しい成長は、横顔や口元の美しさを向上させる効果が期待できます。

悪い癖が早期に改善しやすい

成長期のうちに正しい習慣を身につけることは、お子様の歯並びの悪化を予防します。

4.1期治療の注意点

1期治療で治療完結ではない

1期治療だけで終わるケースもありますが、多くは 「2期治療(ワイヤー矯正)」 が必要です。治療スケジュールの管理、完了の大切さをご理解いただくことが、治療の成功につながります。

装置をきちんと使うことが成功の鍵

特に、マウスピースタイプを使う治療では、「装着時間」の多少が治療効果を左右します。装着のスケジュール管理には、保護者様のご協力が必要です。

成長スピードには個人差がある

歯の成長スピードを味方につけられる期間です。丁寧な検診と調整が大切です。

ただ、成長スピードは個人差があり、治療期間、経過観察期間にも個人差が大きく出ます。

5. 特に、1期治療がおすすめのお子様

・受け口(反対咬合)

・出っ歯

・歯がガタガタになりそう

・口呼吸や舌癖がある

・顎が小さいと指摘された

・上下の噛み合わせが合わない

早期治療が、特に効果を発揮する治療期です。気になることがある場合は、ぜひ専門医へのご相談をお勧めします。

まとめ

1期治療は「顎の成長を味方にできる時期」だけに可能な、特別の矯正治療期間です。
歯並びだけでなく、呼吸や姿勢、口まわりの機能まで、成長期の早い時期に整えることができ、その後のお子様の健やかな成長に大きく役立ちます。